南山舎株式会社 社屋

会社概要

About

Company会社情報

社名南山舎株式会社
所在地〒907-0004 沖縄県石垣市字登野城88番地の1
創立1987年12月15日(2008年1月 法人化)
代表者代表取締役 上江洲 儀正
TEL / FAXTEL. 0980-82-4401 / FAX. 0980-83-7585
営業時間9:00〜18:00(土日祝除く)
事業内容書籍・刊行物の出版/編集・取材・制作/サイト運営・SNS運用

Greeting代表挨拶

代表取締役 上江洲 儀正

島の「いま」を記録し、未来へ。

南山舎は1987年、『八重山手帳』の発刊とともに歩みはじめました。 以来35年あまり、八重山の島々に暮らす人々の営みを、 一冊一冊に記録し続けています。

私たちの仕事は、決して華やかなものではありません。 島の祭事を訪ね、古老の話に耳を傾け、いまそこにある風景を写しとる。 その積み重ねが、やがて八重山の記憶になると信じてきました。

時代が移り、情報の届け方も大きく変わりました。 それでも、この島に生きる人の言葉を、この島から届ける。 その役割は変わりません。これからも八重山とともに歩んでまいります。

代表取締役上江洲 儀正

Column代表コラム

島で本を出す

はいの晄

島に戻って

本に対する特別な思い入れがあったから出版社を始めたわけではない。島に住みたいと思って戻ってきたので、順序としてはまず島がある。変な話だが、あるいはそのことがかえって小さな島で20数年間本を出すことができている理由なのかもしれない。

15年暮らした東京から故郷である石垣島に戻ってきたのは1986年だった。1年ぶらぶらして1987年の暮れに『八重山手帳』を出した。私の八重山暮らしを助けてくれる手帳が欲しかったのである。八重山に暮らすのに便利な手帳なら他に喜んでくれる人もいるはず。これが原点である。

銀行のネーム入り手帳がただでもらえるバブル初期のころであったが、『八重山手帳』は多くの人に喜んで迎えられた。私は南山舎を興した。はじめのうちは「?」と必ず聞き返されたが、次第に「?!」「!」と定着していった。ときどき「!!」の反応も来るようになった。島では継続するというのはとても大事なことである。

『八重山手帳』を出しながら新聞の企画記事を書いたりした。夜は学習塾。一方、1992年3月には企画開発した新聞検索システムを石垣市立図書館で稼働させた。これは本の話ではないが、関係なくはない。つまり、他でフォローしなければ島で本をつくり続けることは難しい。これは現在でもそうである。

八重山の人口はおよそ5万人。狭いマーケットである。加えて、出版業はなにしろ先行投資である。編集制作費、印刷費を先に支払ってできあがった本を売らなければならない。何年もかけて元を取るのが普通だし、売れなければさらに最悪である。

八重山にテーマを絞る

マーケットを広げようと試みたこともある。内容を沖縄全体にまで広げた『おきなわの記憶』という旅の日記帳をつくって、八重山だけでなく沖縄全体で売ろうとしたが、本を流通させ売るための努力に比して成果は少なかった。内容にもよるのだろうが、そのときに自らの原点を再確認した。以後は八重山をテーマにした本だけをつくっている。

中央の出版社ならベストセラーを1冊出せば売れなかったかなりの数の本の分を相殺して余りあるのだろうが、そんなこと望むべくもない島では、島の方法が必要だと考えた。そして心してきたのが、今はやりの言葉で言えば地産地消とネットワークであった。

1992年5月にタウン誌『情報jaima』(のち月刊やいま)を創刊した。そのとき考えた。雑誌の販売だけでは成り立たない。広告料が高ければ最初のうちはつきあってくれても毎月はつづかないだろう。それでは早晩行き詰る。そこで月2000円で小さな広告枠と雑誌5冊(現在は3000円と3冊)をもらえる賛助会員のしくみをつくった。無理のない形で多くとネットワークを結び読んでもらおう。知り合いの多い島ならではの方法ではある。

旗印「月刊やいま」と20年

40ページ1色刷りでスタートした『月刊やいま』は、今では80ページフルカラーである。約20年、休まず発行してきた。ページ数が2倍になりカラーになったのは時代とともに歩んできたからで、儲けたからではない(出版業は厳しいのです)。それよりも、『月刊やいま』には大きな役割があった。南山舎の旗印となったのである。

旗印はいつの時代もすっくと立ってはためいていたい。そのために、悪いことはもちろんしないが、少々の無理はする。ちゃんと立ちつづけていれば認識され信頼をえることができる場合が多いからだ。都会は全体が見えにくく、したがってある一部で評価せざるをえない場合が多い。しかし島はトータルである。全体が見え、それが重んじられる。決定的でない小さな無理や失敗は許され時間のなかに消えていく。

旗印を見て、本を出したい、パンフレットをつくって欲しいなどの依頼が入ってくるようになった。現在南山舎は大濱信泉記念館の指定管理者であるが、企画書で選任されたとはいえ、あの『月刊やいま』を出している南山舎ならという信頼もあったのではなかろうか。

旗印の効果は外からもやってきた。『やえやまGUIDE BOOK』は全国販売されるようになり、フリーペーパー『やえやまなび』は多くの観光客に求められ、南山舎のサイト『やいまねっと』には1日平均700〜800人が訪れるようになった。

旗印を掲げてネットワークをむすび、フリーペーパーで広告をあつめ、手帳、ガイドを販売し、おかげで、これまでに20数冊の本を出すことができた(自費出版はのぞく)。平均すれば1年に1冊強だが、島のさまざまな状況を考えればけして小さな数字ではない。そのなかの4冊が沖縄タイムス出版文化賞ほかの賞を受けた。私たちにとっては大きな誇りである。島に住んでいるとつくづく誇りは大事であると思う。人を結ばせるし、奮い立たせてくれるし、次につなげてくれる。

誇りこそが我われの砦

誇りといえば、2011年の春に南山舎は大きな仕事を完成させた。前新透著『竹富方言辞典』の刊行である。収録語数17700語。1560ページに及ぶ辞典である。つくった我々もびっくりするくらいの出来だったので、つい「枕にちょうどいい」などという言葉しか出なかったが、…やがてじわじわと胸に広がるものがあった。

しかし白状すると、この辞典は島の出版社の肩の荷物にしては重すぎるものだった。屋台骨が揺らぐほどだった。なにしろ原稿をもらって完成まで7年ちかくかかった。編集で原稿の量は2倍になった。7年間収入はなく出費だけである。

資金繰りに困ってある金融機関を訪ねたら、100冊も売れるでしょうかね、と融資の担当者に言われた。この仕事をトータルに考えてくれているふうではなく、がっかりだった。島にもちろん都会の風の通り道はある。近く満期になるローンの借り換えをお願いしたのだが結局断られた。が、捨てる神あれば拾う神あり。なんとか凌ぐことができたのは幸いだった。これもまた、島。

そんなこともあったので、『竹富方言辞典』のPR文句を「小さな島の大きな辞典」とした。誇りこそが我われの砦、の気持ち。そしてそれはとくに竹富人たちの共感をえたようで、竹富の島民はじめ、竹富郷友会、全国竹富島文化協会などが販売に協力してくれた。

おかげで辞典は初版の500部を売り切った。もっとも、その2倍の部数を売り切っても7年間と印刷代の経費を取り戻すことはできないけれども、そのかわりに私たちは島で生きていくうえでもっとも大事なものを得ることができた。誇りと自信である。

*追記・・2011年10月『竹富方言辞典』は第59回菊池寛賞に選ばれた。

出典 『八重山の社会と文化』 NPO現代の理論・社会フォーラム/古川 純 編 発行:南山舎

これまで。そしてこれから

はいの晄

『いい旅研究室』がこれで最終号だという。あざらしさんの気持ちはどんなだろうと想像するけれども、所詮わかるわけがない。でも同業者であるワタシは明日は我が身とわが身を振り返り考えるわけである。だから自分のためにも今の思いを記しておこうと思う。

1986年。15年ぶりに東京から生まれ島(石垣島)に戻った。33歳だった。翌年、「小さな発見のある人生」と帯に刷って『八重山手帳』を出した。石垣島など八重山諸島に特化した手帳。手帳を出版するにあたって社名を南山舎とした。南の島の小さな山小屋のイメージ。そこから「八重山」を発信したいと思った。

手帳は喜ばれた。大げさに言えば、自分たちでつくった自分たちの手帳。いつも多くのものを外から受け入れている小さな島。いつも大きな島に翻弄されてきた小さな島。そこにできた自分たちの手帳、と喜んでくれたと思う。7年後に『沖縄手帳』が出て大ヒットした。沖縄にとってはいいことだけれども、お隣りの宮古諸島に『宮古手帳』ができ、沖縄本島北部のヤンバル(山原)に彼ら独自の手帳ができたほうがもっといいと思ったものだ。それぞれの役割というのはあるだろうけれども、小さなものに光と力を、小さきものよ立て、といつも思うのだ。……『八重山手帳』は今もつづいている。

1992年5月に『月刊やいま』(現)を創刊した。「やいま」というのは「八重山」の方言呼称。創刊時の誌名は『情報jaima』だった。「やいま」を国際音声記号で表記したのは、「私たちの立つ八重山を掘り続けることがすなわち世界に通ず、という“おもい”から」だと「創刊の辞」に書いた。その当時、八重山はほとんど自分のことを「やいま」と言っていなかった。沖縄から方言で「エーマ」と呼ばれることはあっても、だ。ところが今や誰もが誇りを持って?普通に使うようになった。『月刊やいま』の定着が大きかったと自負している。……『月刊やいま』は今もつづいている。

さて、ここまで『八重山手帳』も『月刊やいま』もつづいてきた。しかし、これから先のことはワタシにもわからない。なにしろこの間に時代はスマホの時代になったからだ。デジタルデータが宙を飛び交い、情報の受信、発信が(個人で、手元で)いとも簡単にできるようになった。それによって新たなコミュニティも生まれるようになった。

したがって、南山舎で言うと、1994年に創刊した『やえやまGUIDE BOOK』(年刊)は2014年で辞めざるを得なかった。常に変化する実用情報はスマホの得意とするところで、紙の本はかなわない。そんな時代に、あざらしさんの『いい旅研究室』がここまでつづいてきたのは、それが単なる旅の実用情報誌でなかったからだといえるだろう。しかし、コンテンツにこだわっても紙の本が売れない時代になった。ならば、本の単価を高くするしかないか。紙のもつ優しさや愛おしさを考えれば、その道もありだと思う。

スマホの時代になって『月刊やいま』に起きたことの一つが、「賛助会員になるとどれだけ広告効果がありますか」とよく聞かれるようになったことである。この時代は、より効率や効果を求める。玉石混交の大量情報を迅速に処理しなければならないからだ。おかげで大切なものが抜け落ちる場合も多い。スマホ難民は切り捨てられる。優しくない。

賛助会員というのは、3千円以上の会費で金額に応じた広告枠を誌面に載せ、本誌3冊がもらえるという制度。文字通り「賛助」の意味が込められている。この仕組みのおかげで地域に支えられてここまでやってこれた。もちろん「広告効果」のシビアな指摘はしっかり受け止めなければと思っているが、広告効果を尋ねたスポンサーの多くが、会員を継続してくれているというのはありがたいことである。

そしてこれから?

スマホの時代になってすこし右往左往したところがあったが、歳のせいもあるかもしれないが、最近あまり動じなくなった。時代は変わり目まぐるしくいろんなことが起こり、乗りものも容れものも変わるかもしれないが、変わらない大事なものも多くあることを肝に銘じよう、と考えたからだ。初心忘るべからず、でいい。それに、続けていればきっといいことが起こるという予感がある。ほら、あの『竹富方言辞典』で第59回菊池寛賞をいただけたように、だ。きっと誰かが見ていてくれている。勝手にそんなふうに思っている。

楽天的で独善的? それもいいと思う。

出典 『北海道いい旅研究室21 最終号book1』

History沿革

1987.12
『八重山手帳』1988年版の発刊を機に、南山舎創立
1992.3
企画開発した新聞検索システムが石垣市立図書館で稼働
1992.5
月刊地域情報誌「情報やいま」(後の「月刊やいま」)創刊
1994.8
『やえやまGUIDEBOOK』創刊
1996.8
『八重山の戦争』を第1冊目に「八重山に立つ」シリーズをスタート
1997
旅の日記帳『おきなわの記憶』『やいまっぷ』『やいまカード』など発刊
1997
「八重山の戦争」が沖縄タイムス出版文化賞正賞受賞
1999.9
ホームページ『やいまねっと』開設
1999
「八重山の戦争」が風土研究賞受賞
2001.1
「やいま文庫」シリーズの刊行スタート
2001.9
上江洲儀正代表が東京しかあざ会から「2001年頌」を受ける
2004.12
フリーマガジン『やえやまなび』創刊
2004.12
『八重山の台湾人』が沖縄タイムス出版文化賞正賞を受賞
2005.3
『八重山人の肖像』が沖縄県産本大賞2004に選ばれる
2006.4
大濱信泉記念館の指定管理者となる
2008.1
南山舎を法人化し、南山舎株式会社となる
2009.3
『情報やいま』を『月刊やいま』に改題
2009.3
沖縄県より経営革新計画承認書の交付を受ける
2009.4
大濱信泉記念館の指定管理者を更新
2009.7
八重山特産品の店「島のもの屋」を石垣市大川にオープン
2009.12
『ミンサー全書』が沖縄タイムス出版文化賞特別賞を受賞
2010.4
「島のもの屋」を「ギフトショップうくる」に改称し移転オープン
2011.4
大濱信泉記念館の指定管理者を更新
2011.12
『竹富方言辞典』が第59回菊池寛賞を受賞
2012.1
『竹富方言辞典』が沖縄タイムス出版文化賞を受賞
2012.3
創立25周年を記念して「南山舎やいま文化大賞」を創設
2016.1
『島の手仕事 -八重山染織紀行-』が沖縄タイムス出版文化賞正賞を受賞
2016.2
第38回琉球新報活動賞を受賞
2016.6
平成28年度中小企業課題解決事業として採択
2016.10
『島の手仕事 -八重山染織紀行-』が第14回パピルス賞を受賞
2017.2
八重山暮らしの便利サイト『やいまタイム』開設
2017.4
『マラリア撲滅への挑戦者たち』が「第4回ゼロマラリア賞」を受賞
2017.6
平成29年度中小企業課題解決事業として継続採択
2018.6
平成30年度中小企業課題解決事業として継続採択
2019.1
『沖縄八重山発 南の島のハーブ』が沖縄タイムス出版文化賞正賞を受賞
2020
上江洲儀正代表が第36回八重山毎日文化賞正賞受賞
2026.7
コーポレートサイトをリニューアル

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〒907-0004
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